大学教育学会





2011年度大会ラウンドテーブル

大会におけるラウンドテーブルは、会員相互の草の根的な研究活動を促進させ、併せて先進的なテーマを掘り起こす目的でもうけられました。会員の皆さまにラウンドテーブルでの研究活動を広く知っていただき、関心のある方にはそれに積極的に参加していただきたいと思います。

申し訳ございませんが、企画者の連絡先は、事務局へお問い合わせください。

・「教育改革促進のための大学経営陣のリーダーシップ形成と研修プログラム
企画者:夏目達也(名古屋大学)、大森不二雄(首都大学東京)、中井俊樹(名古屋大学)、中島英博(名城大学)
趣旨:大学経営の環境が厳しくなる中、大学経営陣の経営能力が問われている。諸外国では、この事態に対処するために、従来から大学経営陣向けの各種研修が実施されている。日本では、国大協や日本能率協会等が経営陣向けセミナー等を開催しているが、多くの場合、単発のセミナーにとどまっている。本ラウンドテーブルでは、このような状況をふまえつつ、諸外国の大学経営陣向け研修プログラムの実施状況を、各国の制度や大学運営の文脈に即して紹介するとともに、日本における研修プログラムの可能性について検討する。
活動報告:学会誌第33巻第2号84ページ以下

・「共通教育のアウトソーシング
企画者:吉永契一郎(東京農工大学)、小林勝法(文教大学)、小山悦司(倉敷芸術科学大学)、吉田香奈(山口大学)、古畑徹(金沢大学)、山内正平(千葉大学)、木本 尚美(県立広島大学)
趣旨:共通教育のスリム化・スキル化に伴って、専任教員を置かず、単位互換制度や非常勤講師、外部委託を活用しようとする大学が増加しているように見受けられる。このような傾向は、専任教員の負担を減らし、より一層スキル教育に特化した教育を実現すると同時に、共通教育担当の専任教員のポストを減らすという矛盾を抱える。このラウンドテーブルでは、外部委託を引き受けている会社の方を招いて、その普及状況や仕組み、メリットなどを聞いた上で、今後、大学がどのようにして共通教育において外部委託を活用すべきかを議論する。対象としては、英語教育やキャリア教育、情報教育を考えている。
活動報告:学会誌第33巻第2号46ページ以下

・「大学教育における「文章表現科目」開講の具体的プロセスと連動した担当者のFD活動の提案
企画者:成田秀夫(学校法人河合塾)、中村博幸(京都文教大学)、大島弥生(東京海洋大学)
趣旨:多くの大学で開講されているレポート作成などの「文章表現科目」では、同一科目名、同一シラバス、同一テキストであっても、実際の内容が食い違っていることが多い。それは担当教員個々の教育観や学習志向が暗黙知化されていること、対象となる学生の実体が踏まえられていないことに原因の一端があると考えられる。そうした暗黙知を顕在化させ、学生の実態に合った内容で科目を構成するためには、ワークショップ形式の研修において、担当教員が教育観を自覚してそれらを互いに認め合い、科目の具体的な展開についての理解を共有化することが望ましいと考えられる。本ラウンドテーブルでは,ワークショップの設計と試行版の実践報告を行い、コメンテータより、教育学の視点からコメントをいただいた。参加者には、実際のワークショップの一部を体験していただきながら、本プログラムの課題および今後望まれるFD研修プログラムとその具体的な実践方法について共に検討していただいた。
活動報告:学会誌第33巻第2号80ページ以下

・「学生の理解を深める教授学習(deep approach)
企画者:加藤かおり (新潟大学)、杉原真晃 (山形大学)、ホートン広瀬恵美子 (芝浦工業大学)
概要:本ラウンドテーブルは、テーマに、近年の大学教育の主要な方向性になりつつある「学習者中心の教育」について1つのアプローチである学生の理解を深める教授学習(deep approach, deep learning)を取り上げる。具体的な活動として、理論的な基本コンセプトの意味についての考察、およびそのコンセプトを実際の実践に適用した試行的な実践事例の収集と考察を行いながら、このアプローチの意義や方法の開発について議論を行う。同時に、国内外における教育パラダイムシフトの動向の検証も行っていきたい。
活動報告:学会誌第33巻第2号88ページ以下

・「学生とともに進めるFD
企画者:木野 茂(立命館大学)
共同企画者:梅村修(追手門学院大学)、大﨑雄二(法政大学)、服部憲児(大阪大学)、村山孝道(京都文教大学)、大澤秀介(愛知教育大学)、天野憲樹(岡山大学)
概要:大学のFD活動に学生の視点を活かすことを目的に、立命館大学の学生FDスタッフの呼びかけで2009年8月に「学生FDサミット~大学を変える、学生が変える~」が開催された。サミットはその後、半年に1回のペースで開催されているが、これを契機に、学生が主体となり、教職員も一緒に取り組む「学生FD活動」が全国に広がっている。
これを受けて、学生FDに関心を持つ学会員のために各大学における学生FD活動の取り組みを紹介するとともに、すでに取り組んでいる大学から学生FD活動の意義と現状および今後の課題について報告してもらい、今後の学生FDのあり方について検討することを目的に、2010年度からラウンドテーブルを企画している。
活動報告:学会誌第32巻第2号51-54ページ、第33巻第2号66-69ページ
参考Web:http://www.ritsumei.ac.jp/acd/ac/itl/itl_fd/index.html(立命館大学)
http://cfd.cc.okayama-u.ac.jp/stfd/(岡山大学)
http://www.cep.osaka-u.ac.jp/ourwork/withstudents/pankyo(大阪大学)
http://fsdproject.blogspot.com/(京都文教大学)

・「授業コンサルテーションの現状と可能性
企画者:佐藤浩章(愛媛大学)・城間祥子(愛媛大学)・大竹奈津子(愛媛大学)・香川順子(徳島大学)・安野舞子(横浜国立大学)・倉茂好匡(滋賀県立大学)
キーワード:授業改善、授業コンサルテーション、コンサルタント、クライアント
概要:日本の大学においては、ミクロレベルのFD(授業改善)の手法として、授業アンケート、公開授業ならびに授業検討会が一般的であるが、いくつかの大学においては、高等教育開発者による授業コンサルテーションの取組が始まっている。授業コンサルテーションとは、コンサルタントである高等教育開発者が、個別的、継続的に、クライアントである授業担当者に関与し、共同で授業に生起する問題の解決を目指す試みのことである。北米圏ではファカルティ・ディベロッパー(FDer)にとって「最も時間はかかるけれども、最も有益な活動」(Lewis 2002:59)であると認知され、FDの主要な手法として位置づけられている。授業アンケートが学生の視点,公開授業ならびに授業検討会が同僚による視点からの授業改善技法だとすれば、授業コンサルテーションは専門家の視点からの授業改善技法と言える.本ラウンドテーブルでは,日本の4つの大学において行われている授業コンサルテーションの事例を述べ、それらを通して、その手法、効果、実施にあたっての課題を明らかにすることを目的とした。
活動報告:学会誌第33巻第2号50~53

・「実践研究による理論と実践の往還
企画者:細川和仁 (秋田大学)、森朋子 (島根大学)、今野文子(東北大学大学院)、濱野英巳 (慶應義塾大学)、松下佳代 (京都大学)
概要:大学教育の改善・充実を進めていくためには,実践研究の蓄積が重要となります。実践研究を通じて得た実践知・経験知から理論を構築し,さらに別の文脈の実践の場に応用されることによって,新たな理論が再構築されていくと考えられます。このような理論と実践知の往還によって大学教育の改善・充実は進められます。特に昨今では,大学教育における「アクション・リサーチ」にも注目が集まっており,教育実践をじっくりと分析・考察する研究が求められているといえます。
そこでこのラウンドテーブルでは,大学教育において特に実践研究に取り組んでいる方々が集まり,今後どのような研究・実践が求められていくか,またその研究の進め方等について検討しています。
なお,国立情報学研究所が提供しているサイト「Researchmap」上に,このグループのページを設け,情報交換しています。名称は「大学教育:実践的研究・研究的実践」ですので,関心のある方はご参加下さい。
活動報告:学会誌第33巻第2号97ページ以下

・「一般教育の知的遺産を活かす
世話人代表/志津木敬(広島大学文書館調査員)
概要:本ラウンドテーブルは、2005年度から2008年度にかけて大学教育学会大会において開催されたラウンドテーブル「一般教育の歴史的総括を試みる」に溯ります。その観点を重視し、本ラウンドテーブルでは、一般教育研究において取り上げられてきた用語や概念の適応性を検証しています。ちなみに、2011年度開催の(その3)では,「一般学生」を取り上げました。
大学と社会の相互作用の質の向上は、一般教育の主眼とする、共通教養、及び専攻の人間教育機能の呼び覚しにかかっています。レポーター、世話人の専攻も多様、多彩です。お一人でも多くの先生方のご参加をお待ちしています。
活動報告:学会誌第33巻第2号111ページ以下

・「大学生の健康と活力、社会性
企画者:木内敦詞(大阪工業大学)、奈良雅之(目白大学)
概要:大学生の心身の健康と社会性が、いま危ぶまれている。しかし、現在進行中の高等教育改 革において、学生の心身の健康と社会性を育むことは、中心的な話題としてまったく扱われてこなかっ た。そこで、2011年6月の第33回大会ラウンドテーブルでは、①今日の大学生の健康状態や問題点を整理するとともに、その 改善方略を、②ストレスマネジメント、③健康行動科学、④ライフスキル教育、という3つの視点からの提案を行った。今後も、大学生の健康、活力、社会性を育むための教育システム・プログラム構築へ向けて、情報の収集・発信を継続していく。
活動報告:学会誌第33巻第2号92ページ以下